歓喜院聖天堂の彫刻
今回は、国宝に指定された妻沼聖天山本殿「歓喜院聖天堂」を載せてみたいと思います。
本殿は「奥殿」、「相の間」、「拝殿」よりなる廟型式権現造りで、建物の各壁面をすべて彫刻で装飾され、華麗な色彩が施されています。
ちょっと気になった鴨居の形状。湾曲した1本柱が使われています。その近くにも牡丹(?)の透かし彫りが鮮やかです。
早速中に入ってみると・・・・・・・・・見事な彫刻の数々に圧倒されそうです。
「埼玉の小日光」と言われるだけあって、日光東照宮の彫刻を思い起こさせてくれます。
平成15年(2003年)から平成23年(2011年)までの修復工事により創建当初の極彩色の彫刻が蘇ってます。
総工費は13億5千万円。9億6千万円が国と県と市の補助金、3億5千万円が信徒の寄付で行われたそうです。
彫刻一つ一つにはそれぞれの意味合いがあるそうですが、いくつか紹介してみたいと思います。
まずは、聖天堂の奥殿の南側上部に三人の聖人が一つの瓶を囲んでいる彫刻があります。
これは、孔子、釈迦、老子が酢をなめて、その酸っぱさを共感している様子を表現したものであり、「三聖吸酸(さんせいきゅうさん)」という中国の故事に由来しています。つまり、酢が酸っぱいという事実は皆同じであり、儒教、仏教、道教など、宗教や思想が異なっているとしても、真理は一つであるという「三教一致さんきょういっち」を意味しています。(熊谷市HPより)
聖天堂の壁面彫刻には、数多くの動物や童子の彫刻が施されています。
これもそれぞれ意味があるようですが、思わず笑ってしまいそうなコミカルなものもあります。
ちょうど建物の角(北東(?))から見たものですが、豪華絢爛な様子がよく分かると思います。
同じ角度から壁面だけを大きく撮ってみました。
こんなところにも、いろんな動物が彫られています。
次の写真をよく見て下さい。
七福神の布袋様と恵比寿さまが囲碁をしているところですが、そばで見ているのは酒杯を持って勝敗を見守る大黒様。それぞれの表情も豊かです。
この修復にはかなり苦労されたようです。というのも、碁盤の碁石の彩色がすっかり剥げていて、どのようなものか判断が付かなかったそうです。
結局、囲碁の専門家の方々が、名局にふさわしい対局譜を探されて、再現されたそうです。
ここでは妻沼ボランティアガイド「阿吽の会」の方々が、それぞれのポイントなどを解説して頂けます。
案内して頂ける時間に合わせて、見学されるといいかも知れませんね。
私も、ガイドさんに案内していただきながら写真を撮っていたのですが、とても覚えきれず・・・・・
解説はできませんが、以下、見事な作品のいくつかをご覧ください。
最後に、この修復に関わられた「小西美術工藝社」さんのHPを紹介しておきます。
360度パノラマの素晴らしい写真がご覧いただけます。(少し重たいですが・・・)
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コメント
こんにちは
これが本殿「歓喜院聖天堂」の彫刻ですか…!
ありとあらゆる所すべての面に彫刻が施されて、
その一つ一つが意味を持っているのですね。
圧倒されますが、一方で楽しくもあり「歓喜院聖天堂」の名が
まさにピッタリと感じます。
修復がされるまでは、色が剥げたり褪せてしまって
全然違う雰囲気になっていたのでしょうね。
見事に再現修復されての姿。
多額の寄付をして支えた信者の皆さんにとっても誇りですね。
「三教一致」を表現した彫刻のお話には、ちょっと意味は違いますが、
日本漢字文化センター創設の「あなたが望む『今年の四字熟語』」が
「四海兄弟」に決まり飯能市のお寺で披露されたというニュースを
思い出しました。
投稿: ポージィ | 2014年1月24日 (金) 10時24分
「歓喜院聖天堂」、埼玉の「小日光」といわれている事が納得です。
これだけ立派ならば「小」を取っても良いかもしれませんね。
修復工事費用が13億5千万円となれば初めから創ればいったいどの位?と貧乏人は直ぐそんな事を考えてしまいます。
投稿: country walker | 2014年1月24日 (金) 12時08分
こんにちは。
見事な彫刻ですね!
繊細で修復されただけあって色彩が本当に綺麗。
実際はもっとキラキラしているのでしょうね。
見てるだけで時間を忘れてしまいそう^^
見せていただきありがとうございます。
投稿: 舞。 | 2014年1月24日 (金) 12時29分
なんだかとってもスゴイですねぇ。
こういう感じのって、見たことないです!!!
細かい部分部分ひとつひとつを見ていくのも、
いろいろな物語がそれぞれにありそうで楽しそうですね。
でもやはり、この、全体を見た瞬間に、圧倒される感じを、
味わってみたいですねぇ^^
投稿: 音函 | 2014年1月24日 (金) 16時27分
今晩は~見事としか言いようが有りません。素晴らしいですね
じっくりと見て見たいな~って思います、どれも感動でしたが
七福神の布袋様と恵比寿さまが囲碁をしているところ・勝敗を見守る大黒様・楽しいですね
良いもの見せて頂きました、ありがとうございます。
投稿: 御前です☼ | 2014年1月24日 (金) 20時11分
見事な彫刻の数々。
じっくり見て回ると1日ではまわりきれないのではと思いました。
囲碁をしている布袋様の顔や仕草いいですねえ。
いいものを見せていただきました。
投稿: nampoo | 2014年1月24日 (金) 21時45分
ソングバードさんこんばんは!


さすが小日光といわれるだけある!
極彩色の彫刻は圧巻
吸い込まれそうです・・・。言葉を無くしてしまいますね。
すばらしい写真を見せて頂きありがとうございます
投稿: うずまき | 2014年1月25日 (土) 00時31分
>ポージィさん
おはようございます。
なかなかいいでしょう。
彫刻の持つ意味を知りながら拝観すると面白いかもしれません。
案内の方がそれぞれ説明をしてくださるのですが、頭の中をすり抜けていきます。(笑)
それほど大きな建物ではないのですが、内部も拝観できれば面白いでしょうね。
(内部はおはらいを受けないと見れないようですが・・・・)
修復には大変な苦労があったと思います。
>country walkerさん
おはようございます。
確かにそうですね。
規模的には圧倒的に日光東照宮ですが、彫刻の素晴らしさは圧巻です。
奈良薬師寺もそうだったと思いますが、寄付などを集める為、準備には大変苦労されたようです。
それにしてもお金がかかりますね。
>舞。さん
コメント有難うございます。
規模的には小さいですが、日光東照宮を見てるようで、時間が経つのを忘れてしまします。
こんな国宝が、身近な所にあるのも嬉しいです。
修復には長い時間とお金がかかったようですが、地元に根付いたお寺だけに、親近感がわいてきます。
見学しながら、彫刻の中にいろんなものを見つけ出すと面白いかもしれませんね。
投稿: ソングバード | 2014年1月25日 (土) 07時25分
>音函さん
おはようございます。
機会があれば、是非見に行ってみて下さい。
小さな町の一角にさりげなくあるお寺ですが、彫刻は見事ですよ。
建物の大きさの割には迫力があります。
様々な動物や童子、官女などが隠れていて、なんだか絵探しをしてるような気分になります。
>御前さん
おはようございます。
楽しんで頂けましたか。
こんなお寺が、小さな町の中にポツンとあるなんて信じられません。
まさに地元のお寺という感じですが、地元の人たちに愛されてきたのでしょうね。
今回、修復されて、その鮮やかさがよみがえりましたが、彫刻にはそれぞれ物語があるようです。
投稿: ソングバード | 2014年1月25日 (土) 07時37分
>nampooさん
おはようございます。
それほど大きな建物ではないので、時間はかかりませんが、内部を見学できないのが残念です。
それにしても見事に修復されて、その当時の鮮やかさが再現されています。
修復には大変苦労されたようですよ。
>うずまきさん
おはようございます。
確かに彫刻それぞれが迫ってくるようで圧巻です。
また、それぞれに物語があるので、それを聞きながら見学すると面白いですよ。
位階があれば、ぜひ立ち寄ってみて下さいね。
投稿: ソングバード | 2014年1月25日 (土) 07時42分
ソングさん こんばんは^^
本当に・・日光の東照宮のような・・綺麗な彫刻と色使いですね!
補修作業も・・お金と時間が かかりますね・・
お金持ちですね!>市
投稿: ミント | 2014年1月26日 (日) 23時29分
>ミントさん
おはようございます。
こんな場所が、身近な所にあったこと自体が驚きですが、
修復を実現させた地元の熱意は拍手ものですね。
それにしても、こんなお金がかかるとは驚きです。
本場日光東照宮も修復中ですが、いったいいくらかかるのいでしょうね。
投稿: ソングバード | 2014年1月27日 (月) 06時51分